情報漏洩のニュースが多すぎてわからない人へ。国内の漏えい事案を一覧できる無料サイト2選【2026年版】
2026/10/21
ここ数か月、毎日どこかの企業での情報漏洩のニュースが報道されています。
この事態、今までにはなかったことですよね?
もうちょっと前の情報漏洩のニュースが昔のように感じますし、漏洩件数の少ない場合、報道すらされていないこともあります。
実際、全体で2026年に何件の漏洩があってどのような企業が対象とされていたなどの全体像がつかめないときは、国内の事案を一覧できる無料サイト「JP Incident Monitor」と「Incident Monitor」を使うと便利です。
前者は不正アクセスなどのインシデントを信頼度付きで、後者は公表された漏えい件数の推移を確認できます。
この記事では、2つのサイトの特徴と使い分け、見るときの注意点を解説します。
目次-Contents-
2026年は情報漏洩の公表が過去最悪ペース
2026年は、100万件以上の大規模な個人情報漏えいがすでに10件公表されています。
東京商工リサーチによると(10月5日時点、上場企業などが対象)、2025年の6件を大きく上回る「過去最悪ペース」です。
この背景には大手の情報漏洩の公表を発端に企業がいち早く情報漏洩について公表するようになった影響もあるかと思います。
そして、この件数自体はまだまだ伸びることが想定されています。
情報漏洩を一覧できる無料サイト2選
2つのサイトは、どちらも公開情報を自動で集めて一覧にしています。
ただし、「何を数えているか」が違います。

JP Incident Monitor:インシデントを信頼度付きで一覧できる
JP Incident Monitorは、日本の組織に関わるサイバーインシデントを、情報の「信頼度」付きで一覧できるダッシュボードです。
できること
- 発生日・発覚日・初回公表日、組織名、インシデント種別、影響の可能性がある件数、情報源を一覧で確認
- 組織名や情報源で検索し、種別や信頼度で絞り込み
- 過去90日間のインシデント件数の推移をグラフで確認
- RSSフィードで更新を購読
情報源と信頼度の考え方
情報源は執筆時点で365件です。
GoogleニュースやBingのニュース検索、セキュリティ専門メディア、JPCERT/CC、自治体、省庁、適時開示情報(TDnet)、PR TIMESなどを対象に、1時間ごとに自動確認してAIで分析しています。
信頼度は、情報源の権威性と、複数の独立した情報源で裏付けが取れるかどうかで算出されます。
サイト自身が「信頼度は情報源の品質を示すもので、インシデントの深刻度ではない」と明記している点に注意しましょう。
Incident Monitor(leakjp):公表された漏えい件数の推移がわかる
Incident Monitor(leakjp.pages.dev)は、国内で公表された個人情報漏えい・不正アクセス・誤送信を集め、公表された件数の累計と推移を示すサイトです。
2026年10月20日時点で、累計は「約2冄9,21万件」「492企業・団体」と表示されています。
できること
- 累積公表数量のグラフを「全期間・60日・30日・14日」で切り替え
- 最近の公表・更新を、企業・団体名、サービス名、数量、状況、出典とあわせて確認
- 公表した企業・団体の一覧を「数量順」「最新公表日順」で並べ替え
- 「流出確認」「漏えいのおそれ」「調査中」などの確認状況で絞り込み
- データをCSVでダウンロード
「約2億件」は漏えいした人数ではない
この合計には、人数・件数・レコード数などの単位が混在しています。
推定値や最大想定値、同じ事故の重複も含まれるため、実際に漏えいした人数や攻撃の数ではありません。
「公表された数字を足し上げた目安」として見るようにしましょう。
目的別の使い分け
「最近何が起きたか」を知りたいならJP Incident Monitor、「どれくらいの規模か」を知りたいならIncident Monitorが向いています。
最近の事案を幅広く知りたい:JP Incident Monitor
特定の企業名で探したい:JP Incident Monitor(検索)
新しい事案を自動で受け取りたい:JP Incident Monitor(RSS)
漏えい規模の大きい順に見たい:Incident Monitor(数量順)
社内資料や分析にデータを使いたい:Incident Monitor(CSV)
まとめサイトを見るときの注意点
まとめサイトは「全体像をつかむ地図」として使い、正確な情報は各社の公式発表で確かめましょう。
2つのサイトとも、次のような注意書きを掲げています。
- 自動収集・AI分析のため、漏れや誤りがあり得る:JP Incident Monitorは「完全かつ公式な記録とみなすべきではない」としています。
- 正確性・完全性・最新性は保証されない:Incident Monitorは、引用や二次利用の際に各公表元の資料を確認するよう求めています。
- 数字は後から変わる:過去の事案の追記や訂正で、累計グラフが変わることがあります。
- 「調査中」「おそれ」は確定ではない:状況の表示を確認し、「漏えいが確定した」と断定しないようにしましょう。
SNSやまとめ記事の噂をうのみにせず、「出典」列のリンクから一次情報を開くのが確実です。
自分が関係していそうなときにやること
使っているサービスが一覧にあったら、まずその企業の公式サイトのお知らせで、対象者や漏えいした情報の種類を確認しましょう。
- 公式サイトのお知らせで、対象期間や漏えいした情報(メールアドレス、住所、カード情報など)を確認する
- 同じパスワードを他のサービスで使っていれば、変更する
- 使えるサービスでは多要素認証(MFA)を有効にする
- おわびや注意喚起を装ったメール・SMSのリンクは開かず、公式サイトやアプリから直接確認する
- カード情報が含まれる場合は、利用明細を確認し、必要に応じてカード会社に相談する
Web担当者が確認したいこと
自社のWebサイトやアプリを運営しているなら、まとめサイトを「他社の事例集」として使い、自社の対策に生かしましょう。
ラックは2026年10月15日の記事で、Webシステムやスマホアプリに関連した漏えいが相次いでいるとし、次のような対策を挙げています。
- Web、API、アプリ、検証環境、管理画面など、公開している資産を棚卸しする
- 認証やAPIを含むログを重点的に確認する
- 保有しているデータ(本人確認書類など)を減らす
- MFAを徹底し、認証情報やAPIキーを定期的に更新する
- 漏えいを前提に、公表・顧客対応のテンプレートと判断権限を決めておく
まとめ
情報漏洩のニュースに振り回されないためには、JP Incident Monitorで「最近何が起きたか」を、Incident Monitorで「どれくらいの規模か」をつかみ、気になる事案は各社の公式発表で確かめるのが効率的でしょう。
自分や自社に関わる可能性があれば、パスワード変更やMFAなど、すぐにできる対策から始めましょう。
FAQ
Q1. 国内の情報漏洩を一覧で確認できるサイトは?
A. 「JP Incident Monitor」(https://elkentaro.github.io/jp_incidents/)と「Incident Monitor」(https://leakjp.pages.dev/)があります。どちらも無料で、日本語と英語に対応しています。
Q2. JP Incident Monitorの「信頼度」とは何ですか?
A. 情報源の権威性と、複数の独立した情報源で裏付けが取れるかどうかをもとにした、情報の確からしさの目安です。インシデントの深刻度を示すものではありません。
Q3. Incident Monitorの「約2億件」は漏えいした人数ですか?
A. いいえ。公表された数量を合計したもので、人数・件数・レコード数の単位の混在、推定値や最大想定値、同じ事故の重複を含みます。
Q4. まとめサイトの情報だけで判断してもよいですか?
A. おすすめしません。どちらのサイトも自動収集のため、漏れや誤りがあり得ると明記しています。正確な情報は、各社の公式発表で確認してください。
Q5. 使っているサービスで情報漏洩があったら、どうすればよいですか?
A. 公式サイトのお知らせで対象者や漏えいした情報を確認しましょう。そのうえで、使い回しているパスワードの変更、多要素認証の設定、不審なメールやSMSへの注意を行います。
Q6. 2026年の情報漏洩は増えていますか?
A. 東京商工リサーチによると、2026年は10月5日時点で100万件以上の漏えいが10件あり、2025年の6件を上回る「過去最悪ペース」です。

業界歴15年以上を迎えたWebディレクター / マーケター。
変化の激しい検索エンジン(SEO)の動向や、AI・LLMを活用した次世代のWebマーケティング戦略を研究・発信しています。「ただアクセスを集めるだけではない、ビジネスの成果に直結するサイト運用」がモットーです。






