Google新スパムポリシーで要注意、戻るボタン妨害のチェック方法
2026/04/17目次-Contents-
自社サイトは大丈夫?担当者・経営層が押さえておきたい実務ポイント
Googleは2026年4月、「back button hijacking(バックボタン ハイジャッキング)」を検索スパムポリシー違反として明示し、2026年6月15日から適用すると発表しました。
対象になるのは、ユーザーがブラウザの戻るボタンを押しても、直前のページにすぐ戻れないように履歴や挙動を操作する仕組みです。Googleはこれを、ユーザーにとって欺瞞的で有害な体験だと位置づけています。
この話は、単なる「サイトの使い勝手が悪い」というレベルでは終わりません。
Googleの検索評価に関わるスパムポリシー違反として扱われるため、場合によっては順位低下や表示除外のリスクがあります。
しかもGoogleは、原因が自社のプログラムだけでなく、広告タグや外部ライブラリにある場合もあると案内しています。
つまり、「うちはそんな細工はしていないから大丈夫」とは言い切れません。
この記事では、担当者や経営層がこのニュースをどう受け止めるべきか、専門用語をできるだけ噛み砕いて整理します。
そもそも「戻るボタン妨害」とは何か
Googleが問題にしているのは、検索結果から自社サイトに来たユーザーが、記事を読んだあとに「戻る」を押しても、素直に元の検索結果や直前ページに戻れない状態です。
たとえば、戻るを押したのに別の記事に飛ぶ、広告ページを挟む、レコメンド画面に送る、何回も戻る操作をしないと検索結果へ戻れない、といった挙動が該当します。
ユーザーからすると、「戻るを押したのに戻れない」だけでもかなりストレスです。
Googleは、このズレがユーザーの期待を裏切り、否定的で欺瞞的な体験につながると説明しています。
つまり今回の変更は、単にデザインやUIの問題ではなく、検索ユーザーを不自然に囲い込む行為に明確に線を引いたものだと見ていいです。
ここで重要なのは、Googleがこの問題を「マナー」ではなく明確にポリシー違反として扱い始めたことです。
これまでは「ちょっと感じが悪いサイト」で済んでいたものが、今後は「検索上のリスクを持つサイト」になります。
なぜ担当者や経営層も知っておくべきなのか
このテーマは、一見すると開発やSEO担当だけの話に見えるかもしれません。
ですが実際には、広告運用、メディア運営、サイト改善、収益設計、外部ベンダー管理まで関わる話です。
Googleは、問題の原因が広告プラットフォームや外部ライブラリに由来する場合もあると明記しています。
つまり、社内の担当者が問題コードを入れていなくても、外部ツールの組み合わせによって危ない状態になっている可能性があります。
経営層の立場から見ると、今回の論点はもっとシンプルです。
短期的な広告収益や回遊数のために、検索経由の信頼を失っていいのかという話です。
もし検索流入が重要な集客源なら、戻るボタン妨害のような挙動を放置することは、広告売上を守るどころか、将来的に検索流入そのものを傷める可能性があります。
特にコンテンツマーケティングやオウンドメディアを継続している会社にとって、検索での信頼は一度落ちると戻すのに時間がかかります。
今回の変更は、「今すぐ全社で緊急対応」というほどではない会社もありますが、少なくとも“確認しない”は危険なテーマです。
特に注意したいのはゴシップ系ニュースサイトやまとめサイト
Googleが特定ジャンルを名指ししているわけではありません。ただ実務的に見ると、ゴシップ系ニュースサイト、まとめサイト、広告収益依存の強いメディアは特に注意した方がいいです。これは記事内容の善し悪しではなく、運営構造の問題です。
こうした媒体は、収益の中心がページビューや広告表示回数になりやすく、どうしても「離脱させたくない」「もう1ページ読ませたい」「広告をもう1回見せたい」という設計圧力が強くなります。
その結果、レコメンドウィジェット、全画面広告、ポップアップ、外部配信タグなどが増えやすくなり、運営側が全体挙動を把握できなくなることがあります。
Googleが外部ライブラリや広告プラットフォーム由来の問題にも言及している以上、広告と回遊に強く依存する媒体ほど、知らないうちに危険な状態になりやすいと考えるべきです。
これは公式の明示ではなく、公式発表を踏まえた実務的な見立てです。
特に、検索流入後のページでおすすめ記事や広告面へ強く誘導する設計が多い媒体は、念入りに確認した方がいいです。
編集部が把握していなくても、広告運用や外部システム側の設定で問題が起きているケースはあり得ます。
「ジャンルが危ない」のではなく、「収益構造上、危ない実装が入りやすい」 と理解するのが正確です。
自社サイトで何を確認すればいいのか
一番簡単で、一番大事なのは、実際に自社サイトを触ってみることです。
スマホでGoogle検索から自社の記事ページを開き、記事を読んだあと、ブラウザの戻るボタンを押してみてください。
すぐに元の検索結果、もしくは直前にいたページへ戻れるか。ここが確認の出発点です。
確認時は、できれば次のパターンまで試した方がいいです。
- 記事ページを1本だけ読んで戻る
- 記事から関連記事を1本クリックして戻る
- 広告表示後に戻る
- iPhone と Android の両方で試す
- Chrome と Safari の両方で試す
もし、戻るを押したのに別ページに飛ぶ、広告面を挟む、何度も戻らないと検索結果に帰れない、という挙動があるなら、かなり危険です。
このチェックは専門知識がなくてもできますし、担当者や経営層でも十分確認できます。
業者に何を確認すればいいのか
この記事を読んだ担当者や経営層が一番知りたいのは、ここだと思います。
SEO会社、制作会社、広告運用会社、開発会社に対しては、少なくとも次の確認をした方がいいです。
1. 戻るボタンの挙動を実機で確認済みか
机上の説明ではなく、Google検索から流入した状態で確認したか。
2. タグマネージャー経由の外部スクリプトを一覧化しているか
どの広告タグ、ウィジェット、外部JSが入っているのか把握しているか。
3. 履歴操作や戻る挙動への干渉がないと確認済みか
自社コードだけでなく、外部ツールも含めて確認しているか。
4. 問題があった場合、どのベンダーが対応責任を持つのか
広告会社なのか、制作会社なのか、レコメンド配信会社なのかを曖昧にしない。
5. 今後、新しいタグやウィジェットを入れるときの審査フローがあるか
導入前に、検索流入からの戻り挙動をチェックするルールがあるか。
この5つが確認できれば、少なくとも「何もわからないまま業者任せ」という状態は避けられます。
SEOとLLMOの視点では、なぜこの話が大事なのか
SEOの観点で見れば、今回の変更はかなりわかりやすいです。
Googleは、「検索から来たユーザーをだますような導線」は許容しない、とはっきり示しました。
短期的には、1ページ多く読ませる、広告を1回多く見せる、といった設計が数字を押し上げることもあるかもしれません。
ですが、それが検索体験の信頼を削るなら、長い目では逆効果です。
LLMOの観点でも、この話は無関係ではありません。
GoogleはAI検索機能について、特別な追加対策よりも、従来の検索と同じく役立つ・信頼できる・人間中心のコンテンツを重視すると案内しています。
つまり、AI検索で見つかれたい、引用されたい、信頼されたいなら、土台としてユーザー体験を壊さないことが前提になります。
AI検索の最適化だけ語っても、戻れないようにしているサイトでは説得力がありません。
発注側の立場で言えば、ここで理解しておきたいのは一つです。
AI時代だから小細工が必要なのではなく、AI時代だからこそ“ユーザーに誠実なサイト”がより重要になるということです。
まとめ
Googleは、戻るボタン妨害をスパムポリシー違反として明示し、2026年6月15日から適用すると発表しました。
対象は、ブラウザ履歴や関連機能を操作して、ユーザーが直前のページへすぐ戻れないようにする挙動です。
しかも原因は、自社コードだけでなく、広告タグや外部ライブラリにもあり得ます。
特に、ゴシップ系ニュースサイトやまとめサイトのように、広告収益と回遊率への依存が強い媒体は、構造的にリスクが高くなりやすいと考えた方がいいです。
Googleがジャンルを問題視しているのではなく、収益構造の中で危ない実装が入りやすい媒体ほど、今回の変更を重く受け止めるべきということです。
担当者や経営層が今やるべきことは難しくありません。
まずは自社サイトで、Google検索から流入したあとに戻るボタンを押してみる。
そのうえで、業者に
「確認済みですか」
「どのタグが原因になり得ますか」
「問題があったら誰が直しますか」
と聞ける状態になることです。
今回の変更は、SEOの話であると同時に、これからの検索やAI時代における信頼設計の話でもあります。
検索で見つかることも大事ですが、その前提として、ユーザーを不自然に閉じ込めないことが、いま改めて問われています。






