Google、アナリティクスとサーチコンソールのデータ乖離の原因を説明
2025/02/13GoogleはGoogleアナリティクスとSearch console(サーチコンソール)を活用するためのドキュメントを検索セントラルに新規公開しました。
その中でGoogleアナリティクスとSearch console(サーチコンソール)のそれぞれのデータにおいて数値的な乖離が発生する理由が記載されています。
いままで様々なサイト管理・運営者の皆さんが悩んでいたこの問題について乖離の可能性がわかるようになりました。
目次-Contents-
そもそもの目的の違い
Googleアナリティクスはサイト管理者がタグ(トラッキングコード)を設置し、ブラウザ(WEBサイト)またはアプリでのユーザーのアクション(イベント)を計測します。
Search console(サーチコンソール)はGoogleが検索結果で起きたこと(表示回数やクリック)を計測しています。
ここで前提として
合計数は完全に一致しませんが、全体的な傾向は同じパターンであることが重要です
とGoogleは明言しています。
大切なのは数値の完全一致ではなく傾向が同じであるかどうかとのことです。
数値乖離の可能性要因8つ
GoogleアナリティクスとSearch console(サーチコンソール)との間で発生する数値の乖離の原因となる8つの可能性要因が記載されています。
その8つの要因は
- ・Google アナリティクスの実装
- ・Cookie/トラッキング
- ・タイムゾーン
- ・アトリビューション
- ・正規 URL
- ・トラフィック分類
- ・非 HTML ページ
- ・ボットトラフィック
ではこの8つを具体的に見ていきましょう。
(※以下テキストの引用部分は索セントラルの英字テキストをGoogle翻訳したものになります)
要因1:Googleアナリティクスの実装
Google アナリティクスは、ウェブサイトやアプリにタグを実装することで行動データを収集できるツールです。そのため、何をどのように実装するかによって異なります。Google アナリティクスには、実装と設定の問題があり、データの品質に影響する可能性があります。たとえば、ウェブサイトにアナリティクス タグがないページがある可能性があります。アナリティクスが適切に設定されていることを確認するには、 設定ガイドの手順に従ってください。
一方、Search Console は、Google がすべてのプロパティに対して均一に処理する Google 検索データにアクセスできるツールです。つまり、設定方法によるデータへの影響は少なくなります。
要するにGoogleアナリティクスの設定・実装時のミスなどによりデータに乖離が生まれる可能性があるとのことです。
要因2:Cookie/トラッキング
サイトでユーザーにトラッキングの承認を求め、ユーザーがオプトアウトした場合、Google アナリティクスのデータが歪む可能性があります。 アナリティクスの観点からこれに対処する方法について詳しくは、ユーザーの同意管理の概要をご覧ください 。
Googleアナリティクスのトラッキングをユーザーは任意で拒否することができます。
また、ブラウザのクッキーにも依存します。
逆にSearch console(サーチコンソール)のレポートにおいてはトラッキングを無効にできないかつクッキーにも依存しません。
ここで差が生まれている可能性があります。
要因3:タイムゾーン
Google アナリティクスではタイムゾーンを選択できますが、Search Console ではカスタマイズできません。Search Console のデフォルトのタイムゾーンは PST です。これは、Google アナリティクスでタイムゾーンを PST から大きくずれた場所に設定した場合 (たとえば、サイトが主にオーストラリアのユーザーにサービスを提供している場合) に特に顕著になります。
タイムゾーンがGoogleアナリティクスとSearch console(サーチコンソール)で異なる場合、データの区切りが変わるため差が出る可能性があります。
実際日本標準時間と太平洋標準時間では17時間のズレがあります。
要因4:帰属
Google アナリティクスでは3 つのアトリビューション モデルを利用でき ます が、Search Console では Google 検索のすべてのクリックがカウントされます。利用できるアトリビューション モデルに最も近いのは、Google アナリティクスのデフォルト モデルです。
Googleアナリティクスでは以下の3つのアトリビューションモデルを選択できます。
- ・データドリブン アトリビューション
- ・有料およびオーガニックのラストクリック
- G・oogle の有料チャネル(ラストクリック)
これに対し、Search console(サーチコンソール)ではアトリビューションは関係しない
この差が数値データの乖離の可能性があります。
要因5:正規URL
Search Console ではGoogle 検索の正規 URL のみがレポートされますが、Google アナリティクスではトラッキング コードを含むすべての URL がレポートされます。つまり、Google アナリティクスではより多くの URL が表示される可能性が高くなります。
GoogleアナリティクスではcanonicalタグなどのようにURLが違っていても同一(もしくは同一に近い類似したページ)であっても別ページとして計測しますが、とSearch console(サーチコンソール)はそれらを1つのページとして処理します。それにより数値に乖離が出ている可能性があります。
要因6:トラフィックの分類
Search Console では、トラフィックをウェブ、画像、動画、ニュース、Discover に分類します。これらのカテゴリの分類は、Google Analytics とは異なります。
GoogleアナリティクスとSearch console(サーチコンソール)でデータのカテゴリ分けに差があるためそれが数値の乖離となっている可能性があります。
要因7:非htmlページ
サイトに HTML 以外のページ(PDF など)がある場合、検索でこれらのページが表示されたりクリックされたりすると、Search Console にはデフォルトでこれらのページが含まれます。Google アナリティクスがこれらのページを測定するように設定されていない可能性があります。まずは、 拡張測定イベントをオンにすることをおすすめします。
PDFやCSV、WordなどGoogleがインデックス可能なファイルがサイト(アプリ)内にある場合、Googleアナリティクスで正しく計測できるようになっていない可能性があり、それが数値の乖離となっている可能性があります。
要因8:ボットトラフィック
Google アナリティクスは既知のボット やスパイダーからのトラフィックを自動的に除外しますが、Search Console では必ずしもそれらを除外するわけではありません。
Googleは先日JavaScriptの実行を検索で要求する仕様変更を実装しました。
(これにより順位取得ツールなどが使えなくなるエラーも起きています)
スクレイピングやボットなどの自動ツールのアクセス排除の目的もあるようですが、ツールによっては既に対応しているものもあります。
その影響で数値の乖離となっている可能性があります。
まとめ
今回初めてGoogleがGoogleアナリティクスとSearch console(サーチコンソール)の数値の乖離について言及しました。
大切なことは数値が一致しているということではなく、両者ともに同様の傾向が見えるか否かということです。
GoogleアナリティクスとSearch console(サーチコンソール)の数値や傾向が違う場合は是非上記の8つの要因を参考に一度検証してみてください。