Search Consoleに「生成 AI パフォーマンス レポート」が登場。見られる情報とSEO担当者が確認すべきこと
2026/07/03
Googleは2026年6月3日、Search Consoleに「生成 AI パフォーマンス レポート」を追加したことを発表しました。
Google 公式ブログ:Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入
これまでSearch Consoleでは、AI OverviewsやAI Modeなどの生成AI機能で、自社サイトがどれくらい表示されているのかを専用の画面で確認することができませんでした。
通常の検索パフォーマンスレポートの中にデータは含まれているものの、「AI検索での露出だけ」を切り出して見るのは難しい状態だったのです。
今回のレポート追加によって、Google検索やDiscoverの生成AI機能内で、自社サイトのURLがどれくらい表示されているのかを確認できるようになりました。
ただし、現時点ではすべてのサイトで使えるわけではありません。Googleは一部のウェブサイト所有者を対象に段階的にリリースすると説明しており、Search Consoleを開いてもまだ表示されていないプロパティもあります。
この記事では、生成 AI パフォーマンス レポートで「何が見られるのか」「実務ではどのように使えるのか」「数字を見るうえで注意したい点」を整理します。
目次-Contents-
「生成 AI パフォーマンス レポート」とは

生成 AI パフォーマンス レポートは、Google検索やDiscoverの生成AI機能におけるサイトの表示状況を確認するための、Search Consoleの新しいレポートです。
Googleの公式ブログでは、Search Consoleに「検索」と「Discover」の専用レポートが用意され、生成AI機能におけるサイトの可視性を把握できるようになったと説明されています。
この記事では、多くのサイト運営者が特に確認したい「検索」側のレポートを中心に見ていきます。
※以下、「検索側のレポート」と表記がある場合、「Discoverのレポート」とは内容が異なることがあります。
参考:生成 AI パフォーマンス レポート(検索)
参考:生成 AI パフォーマンス レポート(Discover)
検索側のレポートには、現時点で次の生成AI機能のインプレッションが含まれます。
・AI Overviews(AIによる概要)
・AI Mode
対象となる機能は今後更新される可能性があります。一方、Search Labsの試験運用版データは、Search Consoleには含まれないとされています。
つまりこのレポートは、「生成AI検索に自社サイトが出ているか」を、専用画面で確認できるようになったものです。これまで見えにくかった領域に、ようやく確認用の窓ができたと考えるとよいでしょう。
何が見られるようになったのか
生成 AI パフォーマンス レポートでは、生成AI機能でのインプレッション数を確認できます。また、そのインプレッションをページ、国、日付といった切り口で確認できます。検索側のレポートでは、これに加えてデバイス別のデータも確認できます。

※実際の表示イメージ。Search Consoleの「検索パフォーマンス」表示とほぼ変わらない。
インプレッション数
インプレッション数は、Google検索やDiscoverの生成AI機能内で、自社サイトのURLがユーザーに表示された回数です。
ここで大事なのは、「表示された回数」と「成果が出たかどうか」は別で見ることです。インプレッションが増えているなら露出の機会は増えていますが、それがクリックや問い合わせにつながっているかは、別の指標とあわせて確認しましょう。
ページ
ページ別のデータでは、生成AI機能内に表示されたURLを確認できます。検索側のレポートでは、リダイレクト後の最終ページURLや、Googleが選択した正規URLにデータがまとまって表示されることがあります。
そのため、実際に生成AI機能内で表示されたURLと、Search Console上で確認できるURLが完全に一致しない場合があります。
ページ別データを見ることで、どの記事、カテゴリページ、サービスページが生成AI機能に表示されやすいのかを確認できます。
国
国別のデータでは、どの国からの検索や閲覧によって生成AI機能内の表示が発生しているかを確認できます。
海外からの流入があるサイトや多言語サイトでは、国ごとの露出差を見ることで、思わぬ需要や表示機会に気づける可能性があります。
デバイス
検索側のレポートでは、パソコン、モバイル、タブレットといったデバイス別のデータも確認できます。モバイルでの表示が多いページは、スマートフォンで読んだときに結論や重要情報が伝わりやすいかを確認しておきたいところです。
特にスマートフォンでは、ユーザーが短時間で答えにたどり着けるかどうかが重要です。AI検索で表示されやすいページほど、冒頭の結論や見出しのわかりやすさを見直す価値があります。
日付
日付別のデータでは、生成AI機能内でのインプレッション推移を確認できます。
Google公式ブログでは、時間別、日別、週別、月別の粒度で推移をモニタリングできると説明されています。Search Consoleヘルプでは、日付は太平洋時間(PT)基準とされているため、日本時間の公開日や更新日と照合するときは注意が必要です。
「生成 AI パフォーマンス レポート」が表示されない場合に考えられること
Search Consoleを開いても、まだ生成 AI パフォーマンス レポートが表示されないサイトもあります。
しかし、表示されていないからといって、Search Consoleの設定ミスやサイト側の不具合とは限りません。
Googleヘルプでは、レポートが表示されない理由として、段階的なリリース中であること、またはGoogle検索やDiscoverの生成AI機能で十分なインプレッションを獲得していないことが挙げられています。また、検索の生成AI機能からサイトを除外している場合も、表示に影響する可能性があります。
まずは対象プロパティの左メニューや検索パフォーマンス周辺を確認しましょう。表示されていない場合は、無理に設定を疑うよりも、今後の展開を待ちながら通常の検索パフォーマンスやアクセス解析を見ておくのが現実的です。
このレポートで分析できること
生成 AI パフォーマンス レポートで確認できるのは、現時点では主にインプレッションです。クリック数、CTR、掲載順位、クエリ別データを、生成AI機能だけに切り分けて詳細に確認するレポートではありません。
それでも、SEOの実務ではいくつか使いどころがあります。
1. 生成AI機能に表示されやすいページ・テーマの傾向
まず分析したいのは、ページ別のインプレッションです。どのページが生成AI機能内で多く表示されているのかを見ることで、生成AI機能に表示されやすいテーマやコンテンツの傾向をつかみやすくなります。
たとえば、用語解説、比較表、FAQ、手順、具体的な事例、一次情報を含むページなど、露出の多いページに共通点がないかを確認します。
ここで見たいのは、単に「どのページが多く出ているか」だけではありません。どんな情報の出し方をしているページがAI機能に拾われやすいのか、ページの型やテーマまで見ておくと、次のコンテンツ改善につなげやすくなります。
2. 通常検索との関係性
生成AI機能での露出が、通常検索のクリック数やCTRにどのような影響を与えているかを見ることも重要です。
たとえば、生成AI機能でのインプレッションが増えているページについて、通常検索のクリック数、CTR、平均掲載順位に変化がないかを確認します。
AI機能内での露出が増えた時期に通常検索のクリック数やCTRが下がっていれば、AI Overviewsによるゼロクリック化の影響を考える材料の一つになります。一方で、AI機能での表示がブランド認知やクリック増につながっている可能性もあります。
ただし、このレポートだけで因果関係を断定するのは早いです。通常検索、アクセス解析、問い合わせ数などと並べて見ることで、はじめて判断しやすくなります。
3. 改善候補になり得るページ
生成AI機能でインプレッションが多いページは、すでにAI検索上で一定の接点を持っているページです。このレポートだけでコンテンツの改善余地まで判断できるわけではありませんが、見直し候補となるページを把握する手がかりにはなります。
たとえば、生成AI機能での露出は多いものの、通常検索のクリック数やCTR、問い合わせ・購入などの成果につながっていないページがあれば、内容の見せ方や導線を確認する価値があります。
見直し候補となるページを見つけたら、次のような観点で確認してみましょう。
□ 冒頭で結論がわかりやすく示されているか
□ 見出しごとに内容が整理されているか
□ 表や箇条書きで比較しやすくなっているか
□ FAQや関連する疑問への回答があるか
□ 一次情報、事例、写真、独自の判断基準が含まれているか
AI検索向けの特別な裏技を探すというより、人にもGoogleにも内容が伝わりやすいページへ整えていく作業です。ユーザーが知りたいことにすぐたどり着けるか、不安や疑問を解消できるか。このあたりを丁寧に見直すことが、結果的にAI検索時代のSEOでも大切になります。
参考記事:AI検索時代でも SEOは終わらない、Googleの最新ガイダンスが示す「変わらない本質」
4. 国別・デバイス別の露出傾向
国別のデータや、検索側のレポートで確認できるデバイス別のデータも、サイトによっては改善のヒントになります。
たとえば、モバイルでの生成AIインプレッションが多いページであれば、スマートフォン表示で重要な情報が見つけやすいか、表が横にはみ出していないかを確認します。
海外からの表示があるサイトであれば、翻訳ページや多言語対応の優先度を考える材料にもなります。
使ううえで注意したいこと
生成 AI パフォーマンス レポートは便利な一方で、現時点では注意点もあります。
確認できるのは主にインプレッション
まず、確認できる中心指標はインプレッションです。クリック数、CTR、掲載順位、クエリ別データを生成AI機能だけに切り分けて十分に見られるわけではありません。
そのため、「インプレッションが増えたから成果が出ている」と単純に判断するのは危険です。生成AI機能で表示される機会が増えていることは把握できますが、それがクリック増加や問い合わせ増加につながっているかは、通常の検索パフォーマンスレポートやアクセス解析、コンバージョンデータとあわせて確認する必要があります。
露出、クリック、回遊、問い合わせはそれぞれ別の指標です。AI検索で表示された回数が増えているなら、次に見るべきは通常検索やサイト内行動にどんな変化が出ているかです。
通常検索との差し引きだけで判断しない
生成AI機能のデータは、通常の検索パフォーマンスレポートにも含まれます。ただし、同じページ(URL)がAI Overviewsと通常検索結果の両方に表示されるケースがあるため、検索全体のインプレッションから生成AIインプレッションを差し引いても、「AIを除いた通常検索のインプレッション」を正確に算出できるとは限りません。
つまり、生成 AI パフォーマンス レポートは、通常検索レポートからAI分を切り出して精密に分解するためのものではなく、AI検索上での露出傾向を確認するためのレポートとして見るのが適切です。
月次レポートに入れるなら何を見るべきか
Search Consoleに生成 AI パフォーマンス レポートが表示されたら、まずは月次で次の項目を確認しておくとよいでしょう。
□ 生成AI機能での合計インプレッション
□ インプレッション上位ページ
□ 前月から増えたページ、減ったページ
□ 上位ページの通常検索クリック数、CTR、掲載順位
□ 国別の大きな変化、検索側のレポートではデバイス別の大きな変化
最初から細かく見すぎるよりも、「どのページがAI検索上で見られ始めているのか」「通常検索や成果指標と比べて違和感がないか」を継続的に確認することが重要です。
記事公開やリライト、FAQ追加、内部リンク改善などを行ったタイミングと、生成AIインプレッションの変化を並べて記録しておくと、後から振り返りやすくなります。
まとめ
Search Consoleに生成 AI パフォーマンス レポートが追加されたことで、これまで見えにくかったAI OverviewsやAI Modeでのサイト露出を、専用の画面で確認できるようになりました。
見られる情報は、インプレッション、ページ、国、日付が中心です。検索側のレポートではデバイス別のデータも確認できます。クリック数やクエリ別データまで細かく分析できるわけではありませんが、AI検索上でどのページが表示されているのかを知る手がかりになります。
まずやるべきことはシンプルです。
□ 自社のSearch Consoleに生成 AI パフォーマンス レポートが表示されているか確認する
□ 表示されていたら、インプレッション上位ページを確認する
□ 通常検索のクリック数、CTR、掲載順位と並べて見る
□ 露出が多いページの共通点を整理する
□ 月次で推移を記録し、コンテンツ改善の材料にする
現時点では、生成 AI パフォーマンス レポートだけでAI検索対策の成果を断定することはできません。それでも、AI検索で自社サイトがどのように表示されているのかを知る入り口としては大きな一歩です。
数字は、見るだけでは成果につながりません。そこから「ユーザーは何を知りたがっているのか」「どこで迷っているのか」を考え、ページの内容や導線を少しずつ整えていくことが大切です。
Search Consoleにレポートが表示されている場合は、まずはインプレッションの推移と表示ページを確認し、通常検索のデータとあわせて定点観測を始めてみましょう。
参考
・Google Search Central Blog「Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入」
・Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」
・Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(Discover)」

SEOマーケター。10年以上にわたり小売業界で販売・営業職に従事し、1万人以上の顧客と向き合ってきました。
現場で培ったユーザー心理や購買行動への理解をもとに、検索意図に寄り添ったSEO施策を実践しています。難しくなりがちなSEOや検索まわりの情報を、実務で使いやすい形に整理して発信します。






