ユーザーは、いきなり2階の会議室から入ってくる。|下層ページの話
2026/10/30 ランディングページ下層ページ
WEBサイトを作るとき、私たちは自然と「TOPページ」から考えます。
TOPページがあって、カテゴリページがあって、その下に商品やサービスの詳細ページがある。
だから、ユーザーも同じ順番でサイトを見るような気がしてしまいます。
でも、実際のアクセスデータを見ると、そうとは限りません。
リアルの建物なら、客は玄関から入ります。
WEBサイトでは、違います。
いきなり2階の会議室から入ってきます。
目次-Contents-
1|WEBサイトは、TOPページから始まる?
WEBサイトを制作するとき、多くの場合はこんな順番で考えます。
↓
カテゴリページ
↓
詳細ページ
↓
問い合わせ
サイトマップも上から下へ作ります。
制作でもTOPページに時間をかける。クライアントとの打ち合わせでも、TOPページについての議論が多くなる。
すると、いつの間にか、
と思い込んでしまいます。
でも、これはユーザーが決めた順番ではありません。
サイトを作る側が決めた順番です。

2|実際には、TOPページが一番見られているとは限らない
WEBマーケテイング会社では、多くのクライアントサイトのアクセス解析を見る機会があります。
そこでGA4の「ランディングページ」をセッション数順に並べてみると、TOPページが1位ではないサイトは珍しくありません。
実際のクライアントサイトを見てみます。
大手住宅メーカーの建材販売サイト
TOPページは8位。商品・特集系のページから始まるセッションが上位を占めています。
観光情報サイト
TOPページは9位。「小樽」「札幌」「イベント」など、具体的な観光情報ページから直接入っています。
大手化学メーカーの一部門が運営するECサイト
TOPページは3位。商品ページなどから始まるセッションがTOPを上回っています。
上場しているクラウド構築IT企業
TOPページは1位。TOPから始まるセッションが全体の約48%を占めています。

つまり、
「下層ページの方が見られる」わけでもありません。
サイトの性質によって、ユーザーの入口は変わります。
企業名そのものを調べるユーザーが多いコーポレートサイトなら、TOPページから入る人は多くなる。
一方で、商品数の多いECサイトや観光情報サイトでは、ユーザーは「サイト」を探しているのではなく、商品や情報そのものを探しています。
だから検索結果から、そのページへ直接入ってくる。
企業が考えている「入口」と、ユーザーが実際に使っている「入口」は、必ずしも同じではありません。
3|ユーザーにとって「下層ページ」は存在しない
企業側からWEBサイトを見ると、ページには階層があります。
↓
カテゴリページ
↓
商品詳細ページ
だから私たちは、「上層ページ」「下層ページ」と呼びます。
でも、Googleで商品を検索したユーザーが、
と訪問したらどうでしょう。
その人にとって、商品詳細ページは「下層」ではありません。
最初に見たそのページが、その人にとってのTOPページです。
リアルの建物なら、まず玄関から入ります。
受付を通り、案内されて、2階の会議室へ向かう。
でもWEBサイトでは、検索エンジンや広告、SNSなどによって、その途中をすべて飛ばせます。

にもかかわらず、サイト制作ではTOPページを何度もレビューし、写真を選び、キャッチコピーを練る一方で、商品詳細やサービス詳細はテンプレートに情報を流し込むだけ、ということも少なくありません。
一番作り込んだページと、一番最初に見られるページは、同じとは限らない。
企業側では脇役だと思っていたページが、ユーザーにとって最初の接点になっていることがあります。
だからこそ、TOPページだけではなく、ユーザーとの最初の接点になり得る下層ページも、その役割に合わせて設計する必要があります。
CrossLaboでは、事業案内・会社案内・導入事例・FAQ・フォームなど、ページ種類ごとに探せる
下層ページ専用のデザイン参考サイト集「UL DESIGN」
も公開しています。
4|サイトマップと、導線マップは違う
もうひとつ、WEBサイトを見るときに意識したいのが「サイトマップ」と「導線マップ」の違いです。
サイトマップは、
↓
カテゴリ
↓
詳細
↓
フォーム
というように、ページの所属関係を整理します。
これはWEBサイトを作るうえで必要です。
ただし、サイトマップはユーザーの動きを表したものではありません。
実際には、
広告 → LP → フォーム
コラム → 離脱 → 後日指名検索 → サービス詳細 → 問い合わせ
という動きもあります。
導線マップは、「人がどう動くか」を表す。

私たちはサイト分析を行う際、集客からコンテンツ、フォーム、コンバージョンまでをつなぎ、それぞれの訪問数や遷移率、離脱数を見ていくことがあります。
たとえば、10,000人集客できていても、商品ページからカートへ進む段階で大きく離脱しているなら、集客をさらに増やすことが最優先とは限りません。
逆に、あるコンテンツのPVが少なくても、その先のフォーム遷移率が高ければ、重要な役割を担っている可能性があります。
サイトマップだけを見ると「ページ」が見えます。
導線マップまで見ると、その間を動いている「人」が見えてきます。
5|「重要なページ」は、階層では決まらない
では、TOPページより下層ページの方が重要なのでしょうか。
そういう話でもありません。
それでは「TOPか、下層か」という比較対象を入れ替えただけです。
見るべきなのは、ページがサイトマップの何階にあるかではなく、
・次にどこへ進んだのか
・どこで離脱したのか
・どのページがCVにつながったのか
・そして、次にどこへ誘導したいのか
です。
たとえば商品詳細ページなら、役割は商品を詳しく理解してもらうことかもしれません。
そして次に誘導したいのは、カートや問い合わせページになる。
コラムなら、検索ユーザーとの最初の接点を作ることが役割かもしれません。
その場合、読了だけで終わらせず、関連するサービスや商品へどうつなぐかを考える必要があります。
会社概要なら、直接CVを取るページではなく、問い合わせ直前のユーザーに「この会社なら大丈夫そうだ」と判断してもらうページかもしれません。

ページごとに役割は違います。
当然、必要な情報や見せ方も変わります。実際の構成やデザインを比較したい場合は、下層ページのデザイン参考集から、ページ種類やサイト種類ごとの事例を見ることもできます。
だから、単純なPV数だけでも重要度は決まりません。
ユーザー行動の中での「役割」で決まります。
6|あなたのサイトの「玄関」は、どこですか?
TOPページは重要です。
ただし、「TOPページだから重要」なのではありません。
サイトによって、TOPページが担う役割も、ユーザーが最初に見るページも違います。
たとえば、大手企業のコーポレートサイト。
会社名を検索して訪れるユーザーが多ければ、TOPページが玄関になりやすい。
一方、商品数が1,000を超えるECサイトなら、
「○○ サイズ」
「○○ 用途」
など、具体的な検索から商品詳細やカテゴリページへ直接入るユーザーが多くなります。
駅前の歯医者なら、
「駅名 インプラント」
「駅名 親知らず」
など、悩みや診療内容によって入口が変わるかもしれません。

同じWEBサイトでも、「玄関」はひとつとは限りません。
WEBサイトには、企業が決めた階層があります。
でも、ユーザーはその順番では歩いてくれません。
SNSから、事例ページへ。
広告から、サービスページへ。
玄関を通らず、いきなり2階の会議室から入ってくる。
だから見るべきなのは、
「このページは何階にあるか」ではありません。
ユーザーが、どこから入り、どこへ向かっているか。

WEBコンサルタントとして10年以上。
サイト制作だけでなく、SEO、広告運用、アクセス解析、UI/UX改善など、企画から運用・成長までを一貫して支援。事業開発やオウンドメディアの立ち上げ、広告戦略の最適化にも携わる。コンサルティング会社や広告代理店での経験を活かし「成果につながるWEBマーケティング」を得意とする。
仕事以外では、映画や音楽などのサブカルチャーも大好き。マーケティングだけに偏らず、日常の「面白い」や「なぜ?」をヒントに、新しいアイデアを考える時間も楽しんでいる。






